警備の種類と警備業務全般の定義について

警備業は人材派遣業ではないのと同様に人材派遣業者が警備員を派遣することはできない。警備業は他人(他社)との契約に基づく業務であり、且つ警備業法で定められた業務のみが警備業務に該当する。

警備業は契約に基づいている

警備業法第2条1項には、定義として、以下のように書かれています。

「この法律において「警備業務」とは、次の各号のいずれかに該当する業務であつて、他人の需要に応じて行うものをいう。」

先ず最初に重要な部分としては「他人の需要に応じて行うものをいう」という部分です。これは必ず他人(または他社)との契約に基づいて他人(他社)のために警備するという意味です。会社が自社の財産や事故防止をする意味で警戒に当たる業務は警備業務ではありません。他人または他社との契約に基づいてとは契約書の有無を問うものではなく、言い換えるならば他社の営業や生活において、警備の分野のみアウトソースすると言う意味として考えると理解しやすいだろうと思います。

警備の種類は?

「次の各号のいずれかに該当する業務」とは、そのまま警備の種類大きく分けて、施設警備雑踏警備輸送警備身辺警備(ボディガード)、機械警備の5種類に該当します。これらの号数をとり、施設警備を1号業務、雑踏警備を2号業務、輸送警備を3号業務、身辺警備(ボディガード)を4号業務と呼びます。なお機械警備は1号業務に該当しますが、施設警備(1号業務)と区別するために、あえて5号業務と呼ぶ場合があります。なお施設警備と機械警備の違いは機械を使っているか否かではなく、警備業務用機械装置(基地局)を設けているか否かという点です。防犯用のカメラや非常通報装置など機械を使っていたとしても同一建物内で完結する装置(ローカルシステムといいます)だけの場合は機械警備とは呼ばないことに注意してください。

警備業は人材派遣業ではない

上記の警備業法の定義に該当しない業務、つまり警備員を警備とは全く関係ない業務、例えば人材派遣のように事務員や作業員としてのみ警備員を派遣することは法律で禁じられています。もちろん警備に関する上での事務的なこと、例えばゲートの出入管理をする上で、出入管理表の事務手続き、現金輸送に関る運転・運搬業務などは警備業務の一環となるので問題ありません。なお、逆に人材派遣業者が警備員を派遣することも同様に法律で禁じられています。警備業法第2条2項、3項、4項にあるとおり、警備業とは警備業務を営利目的として継続する形であり、警備業者は定められた認定が必須であり、たとえ警備会社に勤めていたとしても事務員などは警備員とは認められていないが、警備業者と警備員との間で雇用関係は必ずしも必要ないことになっている。また警戒警備業務の司令員も警備員に該当します。

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